【 東栄リーファーライン:村上世彰氏からの提案を受入れ 】


 2018/2/7、東栄リーファーライン(9133)は、MBO価格引上げを含めた開示を行った。
http://ir.toeireefer.co.jp/pdf/toeireefer20180207_1.pdf


1.新たなMBOの骨子

『その後、公開買付者と対象者の第2位の株主である株式会社レノ(「レノ」)及び対象者の第1位の株主でレノの共同保有者であるオフィスサポート株式会社の親会社の大株主である村上世彰氏との間で慎重に議論を行った結果、中長期的視点かつ機動的な経営判断を実行し、対象者の企業価値向上を実現するためには、対象者を非公開化することが最善の方法であるという点において認識が一致し、迅速に本取引を実施することが、対象者のみならず、対象者の株主及び対象者取引先にとっても望ましいと考え、本公開買付けを実施することを平成30年2月7日に決定いたしました。』

(1)MBO(TOB)価格
・600円から800円へ引上げ

(2)買付け等の期間
・2018/2/8~2018/3/23(30営業日)


2.村上ファンド系の大量保有(変更)報告書
http://www.kabupro.jp/edp/20180215/S100CDW5.pdf

(1)保有目的(変更前⇒後)
・経営及び状況に応じて経営陣への助言、重要行為提案等を行うこと ⇒ 純投資

(2)担保契約等の重要な契約
・2/7付でTOB応募契約を締結

(3)保有株式/簿価
オフィスサポート 549,700株
/@598.9
レノ   480,800株/@621.9
合計 1,030,500株(17.03%)/@609.6

⇒ 投資期間約4ヶ月で196百万円の差益

(参考)
https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12345513281.html


<感想>
 本件は、村上世彰氏の提案を受入れて、新たなMBO(価格引上げ:600円⇒800円)の実施を決定した事例。
 黒田電気もそうだったが、村上世彰氏の負けない戦いは今後も続いて行くように思われる。
(参考)
https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12337297643.html

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------

[PR]
by tsuruichi1024 | 2018-03-19 08:00 | MBO | Comments(0)


【 東栄リーファーライン:TOB(MBO)不成立 】


 2018/1/12、東栄リーファーライン(9133)が、TOB(MBO)の不成立を開示した。
http://ir.toeireefer.co.jp/pdf/toeireefer20180112_1.pdf


1.TOB不成立の背景

(1)TOB成立のための下限株式数

[ 下限株式数:3,689,400株 ](a)

・議決権株式数:5,535,243株(b)
=2017/9/30現在の対象者の発行済株式数(6,050,000株)から自己株式数(514,757株)を差し引いた株式数

・(a)の根拠:a÷b=66.7%(株主総会特別決議:議決権を持つ株主の過半数が総会に出席し、その議決権の3分の2以上の賛成が必要)
(参考:
https://r.nikkei.com/article/DGKKASGD28H6G_Y6A620C1EA2000


(2)TOB応募株式数

[ 2,520,429株 ](b)
(村上系の取得が明らかになった12/1以降(TOB期間:11/9~1/11)、株価は終始TOB価格(600円)を上回って推移したこともあり、半数超の株主はTOBに応募せず)


(3)結果:TOBは不成立

・a > b
(TOB応募株式数が、TOB成立条件の下限株式数を下回ったため)


2.オフィスサポート(村上ファンド系)の大量保有変更報告書

 報告義務発生日:2018/1/5
 提出日:2018/1/15(上記5営業日以内)
 事由:株券等保有割合が1%以上増加したこと及び単体株券等保有割合が1%以上増加したこと

 事業内容:投資業、等
 保有目的:投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと

・共同保有株券総数:1,010,200株(c)
(オフィスサポート549,700株、レノ460,500株)
⇒発行済株式数の16.7%

・取得価額:613,831千円(d)
(オフィスサポート329,211千円、レノ284,620千円)

・平均取得簿価:607.6円/株(d÷c)


3.1/10以降の株価推移(終値)

・1/10:765円:1/11:730円、1/12:720円、1/15:703円、1/16:691円、1/17:689円、1/18:688円、1/19:686円

(ご参考)
https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12333764696.html


<感想>
 本件は、村上ファンド系が大株主(保有比率16.7%)となって株価も上昇した結果、TOB(MBO)が不成立となった事例。
 今後、村上ファンド系からどのような「経営陣への助言、重要提案行為」(上記2の保有目的)が行われ、会社サイドがどのような対応策を選択するのかが注目される。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------




第2回プラチナブロガーコンテスト






第2回プラチナブロガーコンテスト






第2回プラチナブロガーコンテスト






第2回プラチナブロガーコンテスト



[PR]
by tsuruichi1024 | 2018-01-20 08:00 | TOB | Comments(0)


【 黒田電気のTOB 】


 2017/12/16、黒田電気(7517)のTOBが成立した。


1.TOBの結果
https://www.kuroda-electric.co.jp/asset/32575/view

(1)買付予定数の下限
 発行済株式:39,446,162株(a)
 自己株式数: 1,811,331株(b)
 自己株TOB:*9,256,500株(c)
 a-b-c=28,378,331株(d)
 下限:18,918,900株(e=d×2/3)

 *旧村上ファンド系の野村綾氏(一部)・(株)オフィスサポート・(株)レノの合算


(2)応募株式数
 25,709,019株>e


2.TOBに至った意思決定の過程・理由

(1)事業環境の変化
・電子部品専門商社業界:専門商社モデルのコモディティー化が進行
⇒ 与信・在庫・物流の基本機能の提供のみでは不十分であるという流れが加速

(2)スピード感
・スピード感をもってM&Aや資本業務提携等の実行、人材や設備への戦略的投資を積極的に行うことが必要

(3)戦略的投資
・抜本的な諸施策遂行には、人材や設備への戦略的投資を積極的に行うことが必要

(4)組織構造変革
・個々の事業の最適な成長戦略の遂行には、現在の商社事業を担う当社を頂点とする組織から、商社事業と開発・製造事業が並列的に位置付けられる経営管理体制への移行も必要

⇒ 上場を維持したままでは大規模な事業運営の変革を短期的に行うことは難しいとの判断に至る

⇒ MBKパートナーズグループ*からの非公開化の提案に賛同

 *日中韓3カ国でのプライベート・エクイティ投資に特化した独立系プライベート・エクイティ・ファーム


3.(株)レノの大量保有変更報告書より

(1)共同保有者(旧村上ファンド系)
・(株)レノ、野村綾・中島章智・(株)オフィスサポート・(株)青山不動産

(2)保有目的
・純投資

(3)保有株式数/保有割合/簿価
・15,009,100株/38.05%/324.0億円(@2,159/株)

(4)TOB売却総額/売却差益
 a)自己株TOB:248.8億円/46.1億円
 b)TOB:156.5億円/35.3億円
   合 計:405.3億円/81.3億円


<感想>
 本件は、そもそも旧村上ファンド系の大株主が38%超株式保有する中で、MBKのTOBに大株主・会社双方が賛同したもの。
 会社は、専門商社モデルのコモディティー化という事業環境の変化に対して、非公開化による、大規模な事業運営の変革を選択した。
 今後もこのようなTOBの活用(⇒TOBをテコとした大胆な改革)が増えて行くものと思われる。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------

[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-12-19 08:00 | TOB | Comments(0)


【 村上ファンドの出口戦略 】

 2017/12/4、村上ファンド系の(株)オフィスサポートが、東栄リーファーライン(9133)株式に関する、変更報告書(大量保有報告)を提出した。


1.変更報告書(大量保有報告)
http://www.kabupro.jp/edp/20171204/S100BVX7.pdf


< (株)オフィスサポート+(株)レノの合計 >
・株数:706,600株(11.68%)
・簿価:422,741千円(598.27円/株)
・目的:投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと
・期間:2017/11/10~11/27


2.東栄リーファーライン:TOB(MBO)の開示(2017/11/8 15:00)
http://ir.toeireefer.co.jp/pdf/toeireefer20171108_01.pdf


< TOBの概要 >

・価格:600円/株
・期間:2017/11/9~2018/1/11(40営業日)
・下限:3,689,400株((全株式6,050千株-自己株式514,757株)×66.7%)

< 株価推移 >
11/8 518円(TOB開示日終値)
  9 596円(同翌日)
 30 609円(村上ファンド系の大量保有報告16:32)
12/1 640円
  4 681円


3.黒田電気(7517)の事例

(1)村上ファンド系列(共同保有者5名)の保有株数等
http://www.kabupro.jp/edp/20171107/S100BN3F.pdf
・株数:15,009,100株          (a)
・簿価:32,398,312円/2,158.6円/株(b)
・目的:純投資

(2)出口:MBK(日中韓3ヶ国企業への投資ファンド)による友好的TOB
https://www.kuroda-electric.co.jp/asset/28358/view(その後訂正あり)


< TOBの概要 >

・TOB価格:2,720円          (c)
・TOB期間:2017/11/2~12/15(30営業日)

(3)株式売却利益
・約84億円(a×(c-b))


<感想>
 上記1は、上記2のTOB(MBO)開示の翌日から、株式取得をスタートしたもの。
 上記3の流れとは全く異なるが、TOB価格が低すぎるとの判断の下での株式取得かと思われる。
 最終的に、(1)TOB(MBO)が成立するのか、(2)MBOに代わる投資家が出てくるのか等、今後の動向が注目される。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-12-05 08:00 | ファンド | Comments(0)


「生涯投資家」 (村上世彰著、文藝春秋)


 以下は掲題書(第1章「何のための上場か」)からの一部抜粋。(その1)


『企業とその経営者にとって、上場には二つのメリットがある。ひとつは、株式の流動性が上がること。すなわち、株式が換金しやすくなることだ。もうひとつは、資金調達がしやすくなることだ。逆に言えば、この二つが必要ない場合には上場する必要もない、と私は考えている。


 逆に上場のデメリットを考えると、コストがかかる点が第一に挙げられる。企業の規模によっても異なるが、IR(投資家向け広報)など必要な部署とその人材の確保、株主総会を招集するための通知を発送するコストや監査のコストなど、少なくとも年間5千万円、多ければ数億円から数十億円レベルの費用がかかる。直接のコスト以外にも、上場していることに伴う業務は多く、見えないコストもかさむ。そして、デメリットの第二には、いつ誰が自社の株主なるかわからない点が挙げられる。

 こうした点を考えると、株式発行による直接金融で資金を調達する必要のない企業は、上場を廃止して非上場になることを検討すべきだと思う。特に近年流行った「買収防衛策」を導入するような企業は、本当に買収されることを回避したいのであれば、非上場化すべきだ。買収防衛策に限った話ではない。

 株主に向き合う経営が難しいのなら、経営者が自ら株主になるMBO(マネジメントバイアウト=経営者が中心となって自社株を買うことにより非上場にすること)によって、上場を止めるべきだ。上場とは、端的に言うと「誰が買ってもいい=誰でも株主になれる」状態だ。その状態が経営上望ましくないのなら、上場をやめてプライベートカンパニーになるという選択肢を検討するべきだ。』


<感想>
 元経産相官僚で村上ファンドの村上世彰氏が何を考えてどう行動してきたのか。氏の言う、2つの上場の意義、(1)株式の流動性が上がる(株式が換金しやすくなる)こと、(2)資金調達がしやすくなること、は至極ごもっともで、次章以降の展開が楽しみだ。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-07-18 22:30 | 村上世彰 | Comments(0)